魅力盛り沢山でありながらど真ん中に突き刺さる「ハクソー・リッジ」

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7月に入りハクソー・リッジの評判を見聞きするたびに、これは劇場で見なければならない映画だと思われ、仕事帰りにユナイテッドシネマズわかばに行ってきました。

監督 メル・ギブソン
製作 デビッド・パーマット /ビル・メカニック /ブライアン・オリバー /ウィリアム・D・ジョンソン
キャスト
アンドリュー・ガーフィールド デズモンド・ドス/ サム・ワーシントン グローバー大尉/ルーク・ブレイシー スミティ・ブレイシー/テリーサ・パーマー ドロシー・シュッテ/ヒューゴ・ウィービング トム・ドス /

ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)(2016) (139分)
★★★★★ 88点

 凄まじい映画でした。しかも、終始すごく面白かったです。メル・ギブソン監督作は「ブレイブハート」を昔見て以来今回が2本目なのです。私にとっては初代マッドマックスやリーサルウエポンで夢中になったアクション俳優の一人という印象でとどまったままでした。しかし今回この映画を見て、なるほど監督としてもすごい人だったんですね!再認識しました。

 前半、幼少時代から恋人との出会い、軍隊の訓練、軍法会議とどんどん話が進むのですが各場面ごとに、恋愛、青春、父子、様々なジャンルの映画の楽しさがてんこ盛りで盛り込まれていて、色々な映画を想起しては「映画を見ている幸せ」を噛みしめさせられます。よくまこれだけの要素を入れても魅力がぼやけないなと感心しきりでした。

そして、後半・・・・・・
戦場シーンは堂々とこのジャンルでトップのものを撮る!!という気概が伝わってくるものでした。描写はかなりどぎつく、スクリーンを見つめている私の顔は(;゚;Д;゚;)。←こんな感じだったと思います。
 全身を炎に焼かれながら、真横になった姿勢で回転しながら吹っ飛んでくる兵士の映像が頭から離れません。戦争の凄まじさ悲惨さの表現として第一級だったと思います。日本兵の表現もあえて詳細は描かず、変に気になる描き方はありませんでしたし、主人公のある行動により同じく家族を守るために戦争に参加している敵兵に対してのリスペクトを感じました。

 戦場のシーンに入るまで丁寧に周辺のドラマを描いていた分、後半の限られた時間の舞台はハクソー・リッジに限定されていて、攻めて、撃退されて、また攻めるという潔いシンプル構造が戦場の凄まじさや、デズモンド・ドスの行動をくっきりと際立たせていて良かったです。この戦場シーンを15日で撮ったと知って驚きです。

 これだけ多くのエモーショナルな魅力を詰め込んでも、分散した印象が無いのは、監督の恐るべき手腕なのでしょう。戦場の壮絶な描写に対してオススメできない方もいると思いますが、作品全体としては誰が見ても楽しめる素晴らしい映画だと思いました。この調子でメルギブソン監督のその他の作品も見てゆきたいと思います。

以上、魅力もり沢山、しかもど真ん中に突き刺さる「ハクソー・リッジ」でした。