「はじまりへの旅」(ネタバレあり)感想”Power to the people, Stick it to the man”

シェアする

 こんにちはエルチ(@elchi3000)です。
4月も後半戦今月楽しみにしていた「はじまりへの旅」を月曜日、埼玉新都心のムービックスさいたまにで観てきました。

監督 マット・ロス
製作 リネット・ハウエル・テイラー /ジェイミー・パトリコフ /シバニ・ラワット /モニカ・レビンソン
キャスト
ビゴ・モーテンセン ベン /フランク・ランジェラ ジャック/ジョージ・マッケイ ボウドヴァン(ボウ)/サマンサ・アイラー キーラー / アナリース・バッソ ヴェスパー / ニコラス・ハミルトン レリアン /シュリー・クルックス サージ / チャーリー・ショットウェル ナイ

はじまりへの旅 (Captain Fantastic)
★★★★★ 100点!

良かったです。新年度が始まってちょっとボーッとして、5月病的な感覚があり、まずい雰囲気と思っておりましたが。この映画を観て元気出ました!

子どもたちが素敵!

ヴィゴ演じる父親ベンのもとワシントン州のカスケード山脈の山中で暮らす6人の子どもたち。かなり特殊な教育方針の基、たくましく育つみんながとてもかわいいのです。 そんな子どもたちがニューメキシコ州のラスクルーセスまで旅する途中、一般的な人々とのギャップで起こるエピソードがとてもおもしろく、時に考えさせられるわけです。これだけ書くとちょっとクロコダイル・ダンディを思い出してしまいますが、ただ森に住む子どもたちが都会への珍道中ということではなく、

ベンの教育方針によりみんなメチャクチャ博識で、個性豊かで音楽を愛してます。

それぞれみんな個性があって、ずっと観ていたい子どもたち。表情が素晴らしかったです。特にいつも被り物しているサージは可愛かったな−。趣味:剥製造り、ポル・ポトについて研究中。

旅の途中出会う一般的な人々と書きましたが、子どもたちの目を通して観ると、銀行の待合室で「みんななんでこんなに太っているの?病気!?」とか、Xboxの格闘ゲームに衝撃を受けたり、どちらがまともなのかと問われたら、ベン一家の方だと思います。

しかし、ベン一家の子どもたちも世間で生きていくためには、まだ必要な経験もあると感じてきています。子どもたちは孤独でもあります。こうした乗り越えなければ行けない側面も場面場面でしっかりと多角的に描かれているのも良かったです。

ヴィゴが最高

ヴィゴ・モーテンセン、非常に好きです。イースタン・プロミスが好きすぎて何度も観ております。顔と、彼のキャリアが主に好きな理由ですがこの作品での役はヴィゴ自身の不思議な魅力がそのままキャラ感じられるキャラクターだったと思います。監督のマット・ロスはインディアン・ランナー以降ずっとヴィゴを観ていたということでそれもうなずけます。

劇中着ている赤いシャツはインディアン・ランナーでも着ていたシャツだそうですし、エンドロールのアイ・シャル・ビー・リリーストもおんなじですね。

←はじまりへの旅          / インディアン・ランナー →

監督がヴィゴのファンなんだと思います。監督が思うヴィゴの魅力的がそのままベンに反映されているんだと思います。

ベスト髭剃シーン

途中までずっとヒゲモジャですが終盤、髭をそった後の顔が凄くかっこよいです!

ひげヴィゴも良いですが、やっぱり顎のラインがかっこいいヴィゴ・・・

映画のストーリーとしてもこれ以降のシーンはずっと泣きっぱなしとなります。

この髭剃シーン以降、ヴィゴ最高!!「はじまりへの旅」最高!!!!!

本当に何度でも観ていたい。すばらしい終盤だと思います。

ちなみに、「イースタン・プロミス」サウナシーン同様のシーンもあります・・・

この映画の見方としては「通過儀礼の物語」「父親を超える物語」というのがあります。(パンフレットで大場正明さんが素晴らしい評論で書いていらっしゃいます。)

ごく簡単に言うと「今まで頼りにしていた存在を乗り越えて成長する物語」だと思います。様々な物語がこの事を軸として作られているというわけです。この映画は「子どもたち」また「父親自身」の成長過程がしっかりと描かれています・・・なんて上から目線な文章を書いてしまいましたが、

この映画が素晴らしいのは、同時に観ている私自身が、「一般的な社会生活」「みんなそうしているから」という理由だけで、「いろんななものに強く依存し、自分の足で立っていないのではないかい!!??」と問いかけられる映画だと思います。

ネタバレになりますが、

長男ボウが、母の導きもあり合格した大学にはいらず旅に立つという選択をしたことに最後まで私自身がこの映画から問を投げかけられたと感じました。

“power to the people, stick it to the man”

「人々に力を、権力にFU%K」ベン一家の合言葉で有るこの言葉ですが、この映画を通して聞くと日常の中で自由でいるために必要なことが浮かび上がってきます。

私にとってとても大切な映画となりました!