夫婦の危機映画私的ベスト5(2019年マリッジストーリー以前)

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新型コロナウイルス対策で3月2日から春休みが開ける4月7日まで、学校を休みになりました。なんとか感染拡大に歯止めがかかり、日常の生活が取り戻せることを祈っております。

今回、私の2019年に見た映画BEST1に選んだ「マリッジストーリー」が素晴らしかったので、夫婦の危機映画私的ベスト5を紹介します。

①「レボリューショナリー・ロード」(2008年)
監督 サム・メンデス
主演夫婦 レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット
当時の時代背景ならではの事と思ってみていると。現代の夫婦にも共通する感情を引っ張り出されます。才気ある二人が一緒になるということは素敵なことでもあり、悲劇でも有り、タイタニックの主演二人が素晴らしい。2020年に公開中の「1917」、そして「スカイフォール」など大作を手掛けるサム・メンデス監督は夫婦危機映画も絶品です。デビュー作「アメリカン・ビューティー」もある夫婦映画の大傑作の一つだともいます。このあたりでこのジャンルで次なる1作を期待しているところです。


②「ファントムスレッド」(2017年)

監督 ポール・トーマス・アンダーソン
主演夫婦 ダニエル・デイ・ルイス ヴィッキー・クリープス
1950年代のロンドンを舞台に天才的仕立て屋の主人公が、若きウェイトレスに恋をする。完璧を求める芸術系亭主関白に対し徐々に逆転してゆき・・・ダニエル・デイ=ルイスの引退作、名匠PTAと全編とても美しい映像。ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)による美しい音楽。私にとっての完璧な映画の一つです。

③「危険なプロット」
監督 フランソワ・オゾン
主演夫婦 ファブリス・ルキーニ クリスティン・スコット・トーマス

フランソワ・オゾン監督「スイミングプール」を見て以来大好きです。作品ごとに味わいは異なるのですが、本作は「スイミングプール」と並ぶ傑作だと思います。共通の芸術的趣向を持つ夫婦に突如入り込んでくる才能あふれる若く美しい異端児。そこから徐々に崩れてゆく関係がサスペンスフル。そしてフランソワ・オゾン監督のユーモアとエロさが炸裂する傑作です。主人公夫婦だけでなく、少年が入り込んでゆく友人の父母夫婦も見応えがあります。


③「リトル・チルドレン」(2006年)
監督 トッド・フィールド
主演 ケイト・ウィンスレット パトリック・ウィルソン  ジェニファー・コネリー
こちらも、ケイト・ウィンスレット主演。子を持つ親同士のダブル不倫。男女双方の動機とぞわぞわを映画体験として提供。「こういう状況だとこう動いちゃうよなぁ」という本来、いけない共感を沢山味わえます。一線を超えるシーンでそれがピークに達します。この映画ではその後の一旦は崩壊したものの、後ろ髪ひかれながら再生?に向かってゆく感じも描かれます。こんな素晴らしい映画を撮るトッド・フィールド監督。ふと振り返ればこれ以降新作出してないです。もともと俳優としてのキャリアも長く1999年にはこちらもキューブリックによる夫婦映画「アイズ・ワイド・シャット」にも出演しているようです。


「ゴーンガール」(2014年)
監督 デヴィッド・フィンチャー
主演夫婦 ベン・アフレック ロザムンド・パイク

すべての作品が素晴らしい監督の一人、デビッド・フィンチャー作品の中でもとても好きな一本。息をもつかせぬ壮大なる復讐を仕掛ける妻ですが、乙女な一面もありロードムービー感のある隠遁生活もサスペンスの連続です。この映画でのベン・アフレックは本当にリアルで、私の中で彼の印象といえばコレ!という感じになってしましました。こんな夫婦喧嘩巻き込まれ悲惨目に合う人多数。とにかく面白い映画です。

上記5本も順位をつけさせてもらいましたがどれも生涯ベストに入れたい素晴らしい作品たちです。また、今回5本には選びませんでしたが今回思い浮かんだ他の素晴らしい夫婦映画を以下に紹介しておきます。

「ブルーバレンタイン」(2010年)
監督 デレク・シアンフランス
主演夫婦 ライアン・ゴズリング ミシェル・ウイリアムズ

「カジノ」(1995年)
監督 マーティン・スコセッシ
主演夫婦 ロバート・デ・ニーロ シャロン・ストーン
「マンチェスターバイザシー」(2017年)
監督ケネス・ロナーガン
主演夫婦 ケイシー・アフレック ミシェル・ウイリアムズ

そしてもちろん、この記事を書きたいと思うきっかけとなった昨年の私のベスト1作品「マリッジストーリー」はおすすめです。

今回まとめてみて夫婦の危機映画といっても様々な結末やメッセージがあり、非常に幅広く取り組まれる題材なのだなと思いました。そして今後も素晴らしい作品が作られることでしょう。