眩しく輝くモーテルからの笑い声「フロリダ・プロジェクト」

シェアする

「フロリダ・プロジェクト」

★★★★★ 100点

5月20日(日)MOVIXさいたまで夜遅くの回で見てきた。鮮やかな画面の中で輝く俳優たち。とりわけ子役達の可愛いこと。予告編でも発せられる「lets go be there!」可愛すぎて胸を鷲掴みにされた。

「タンジェリン』と言う映画を全編iPhoneで撮影した監督Sean Bakerで、貧困層のリアルを描いた映画と聞いて、シリアスな作風を思い浮かべたが、「フロリダ・プロジェクト」はとても明るく優しくてパンクな作品であった。

輝きを放つ、シーンが次々に映し出されるこの映画をみて、重いテーマを扱いながらも、ここまで楽しい映画はなかなか無いなと思った。納得がいったのはあのウィリアム・デフォーが絶妙に良い人として登場するのだ。あのデフォーをこんなに愛すべき人に撮れるんだもの。監督の才能なのだろう。

舞台がフロリダということもあり、「ムーンライト」で感動した色彩がこの映画でもまた違った形で鮮烈に表現されている。

フロリダのモーテルでの撮影は本物の宿泊者と一緒に撮られた。劇中何度も登場するヘリコプターは撮影中お構いなしに離着陸させるしか無かったため劇中も轟音を立てて飛んでいる。主人公の母親を演じるBria Vinaiteは監督がインスタグラムで見つけたデザイナーで、すっごく自由だ。何と言ってもその娘役のBrooklynn Princeがかわいい。監督はこうしたフレッシュなキャストと一般人を映画に登場さ映画に活き活きとした息吹を吹き込んでいる。

映画で描いている現実は厳しく胸が締め付けられる。しかし最も輝かしい光を放つ終盤に、見終わった後も彼女達の笑顔と、笑い声が心に貼り付いた。

私がこの映画を見た日に監督が影響を受けたという「誰も知らない」を撮った是枝監督がカンヌでパルムドールを受賞した。是枝裕和監督に並び、また一人好きな監督Sean Bakerが私の中に住み着いた。

いた