ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督「プリズナーズ」を観ました。(ネタバレ)感想

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こんにちはエルチ(@elchi3000)です。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督週間継続中で、いよいよ今回楽しみにしていた過去作、「プリズナーズ」を見ました。

解説  2010年に発表した「灼熱の魂」が第83回アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、世界的にも注目を集めたカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブのハリウッドデビュー作。娘を取り戻すため法をも犯す決意を固めた父親の姿を描いたサスペンススリラー。家族で幸せなひと時を過ごすはずの感謝祭の日、平穏な田舎町でひとりの少女が失踪する。手がかりは少なく、警察の捜査も進展しないなか、少女の父親は証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から、彼が誘拐犯だと確信。自らの手で娘を助け出すため、一線を超える決意をする。父親役にヒュー・ジャックマン、事件を担当する警官役でジェイク・ギレンホールが主演。

監督     ドゥニ・ビルヌーブ
製作     ブロデリック・ジョンソン/キーラ・デイビス/アンドリュー・A・コソーブ/アダム・コルブレナー

キャスト
ヒュー・ジャックマン  ケラー・ドーヴァー/ジェイク・ギレンホール  ロキ刑事  /
ビオラ・デイビス   ナンシー・バーチ/ マリア・ベログ  レイス・ドーヴァー/
テレンス・ハワード  フランクリン・バーチ/ ポール・ダノ  アレックス・ジョーンズ

プリズナーズ(Prisoners)(2013年)(153min)
★★★☆☆ 70点

153分、先の読めないのミステリー。面白かったです。ホームパーティーの途中娘達が消えてしまうストーリー冒頭を描いた予告編を見てその緊張感と恐ろしさに。体力がある時に見るべき映画として、ついつい今になっちゃいました。

ジェイクギレンホールがやっぱり良い。

ヴィルヌーヴ監督が「複製された男」に引き続きジェイク・ギレンホールをオーディション無しで決めたロキ刑事役。首にタトゥー、フリーメーソンリングをした刑事ってすごいけど、本来有能でありますが激情が表面に出ちゃう刑事を好演してます。その他にもヒュー・ジャックマン、テレンス・ハワードなど豪華な俳優陣が揃って出ております。


▲このジェイク・ギレンホールの髪型も良いです。

また今回、一番悲惨な目に遭ってしまうアレックス役のポール・ダノは何とも良かったです。(ちょっとヒメアノ~ルのムロツヨシを思い出しちゃいました・・)ストーリーが進み彼の顔が変形してしまう様は心底恐ろしかったです。

乗り切れないメタファー部分

ですが・・・・・他のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品に対して、プリズナーズは今ひとつ盛り上がらなかったというのが正直な所でした。1番乗れなかったポイントは娘が失踪してしまった父親が取る行動と、刑事の行動を観ているだけでも胸がいっぱいなのですが、其の上さらにキリスト教的メタファーが乗っかっており正直お腹いっぱいでした。

冒頭キリスト教の祈祷文から始まり、キリスト教的解釈での神vs神に抗うもの、それを追う異教徒という構造が示されているのですが、このメタファー自体必要なのかな?と思っちゃいました。

映画事態の理解を深めるために、メタファーを探りながら観るのは楽しいのですが、むしろこれらを盛り込むために、少々無理をしちゃってる感じもありました。なぜそこから?という感じに出てくるサタンの象徴蛇。「異教徒は悪魔に勝てない。」と、言うことで、ロキ刑事と警察署全体がやけに無能な所などがそう感じたところです。

メタファーを軸に見てなるほど!と思うよりも、前半の、日常の中で唐突と出現する暴力に人々がどう反応してしまったか?という緊張感みなぎる展開を継続させて見せて欲しかったなと思っちゃいました。ヒュー・ジャックマン家の地下室のDIYマニアっぷりなどをさらに掘り下げて欲しかったとか、「クリーピー 偽りの隣人」の様に犯人側の家の構造を見たかったですー!

以上ドゥニヴィルヌーヴ監督の過去作の中では少し熱が低めになってしまった「プリズナーズ」でした。

最後に、監督と主演2人のわきあいあい写真を貼っておきますね。お疲れ様ですー。。