こんにちはエルチ(@elchi3000)です。
昨日、錦糸町楽天地シネマで「哭声(コクソン)」を見てきました。3月中旬の金曜日ということで町には歓送迎会や卒業式後の人たちが溢れていましたよ。
最終電車に揺られ、この映画についてずっと考えながら帰宅。そして一夜明けた現在、ネットの情報を見ながらずっとこの映画について考えています。そう・・・ずっとです!
『哭声/コクソン』
哭聲 곡성/The Wailing
2016年/韓国/156分
監督・脚本:ナ・ホンジン
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チャン・ヨンギュ/タルパラン
出演:クァク・ドウォン/ファン・ジョンミン/國村隼/チョン・ウヒ
「哭声(コクソン)」
★★★★☆ 90点
ナ・ホンジン作品は過去2作「チェイサー」「哀しき獣」どちらも大好きです。
私なりに好きな理由挙げると以下となります。
①先の読めぬダイナミックな展開!
②いい顔キャスト達の全力演技、演出も面白い!
③韓国のまだ知らぬ側面を知る!
今回も①②においては大満足の映画!でしたが、③のテーマが、私の苦手分野「キリスト教」だったんで理解できない部分が多々あったのでした・・・・自分はこの映画のように映画冒頭で聖書の言葉が出てきたりすると「うへっ。分かんないかも」と尻込みしてしまいます。
映画自体、面白さに満ちておりましたし、國村準さんがナ・ホンジン監督映画に出て、色んな意味で素晴らしい役を演じているし、最高でした。直後「すごい映画を見た!」という感覚でいっぱいでした。
しかし映画全体や結末を理解しようとすると、いろんな部分で「?」が浮かんできてしまいます。
「理解できていないんだな・・・俺」
パンフレットのナ・ホンジン監督の一言「エンディングから慰めを感じてもらいたい」を読んで「どこから?!」とさっぱり分からない自分がいる。理解不足?もしかして誤読した?
この映画には祈祷師が出てきたり、パンフレットには韓国の文化「霊が社会をつくる」という文章が乗っています。キリスト教と祈祷文化についての理解不足があるんでしょう。劇中の人々が言っていることと、監督の意図が解らなかったです。
でも。それだけじゃない・・・そもそもこの映画を1回見て正しく理解できる人って、どれ位いるんでしょうか?
ふと考えると、観客だけでなく、主役含め、登場人物達の中で事態を理解できている人って何人いるんでしょうか?
作品自体が疑心暗鬼をテーマとしているので、被害者、加害者側も含めて、人々が本当に何が起きているのか、理解していない状態で進みます。画面で写っている映像が疑心暗鬼の結果であり、それが新たな疑心暗鬼を起こしてゆきます。
この映画の楽しみ方
韓国で大ヒットしているとのことで、文化的背景を理解した上で見るとより楽しめるんだろうなとは思いますが、それだけではなくてこの「映画をどう見るか。」それを見つけてゆく作業自体が面白いんだと思います。
映画を見た後、自分で理解できていないことをなかなか認めたくない気持ちもありますが、ここは素直に「わかんなかった!」っと認めてしまいネットの解釈を参考に読み解いてゆくのがオススです。私個人的意見としてですが、この映画ほど、ネタバレレビューを見るのが楽しい映画もそう無いのではないでしょうか?
しかし、自力で読み解いて、レビューを書いている方々については本当に尊敬と憧れしかありません。
「哭声(コクソン)」は見てる最中は最高で、終わった後も別途、読み解きのために、膨大な時間を楽しめる非常にお得な映画だと思います。色々と皆さんの解釈を読み込んでから、もう一回劇場で見てみたくなりました!そういう意味でナ・ホンジン監督すごい映画をつくりますねえ。
以上「「哭声(コクソン)」感想。「誤読?!解んない?!」それで良い・・・見た後でネタバレ解説を読んで読み解くことが面白い!でした。
ナ・ホンジン監督の過去作2作品。