若かりしドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『渦』を観たました(ネタバレ感想)

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こんにちはエルチ(@elchi3000)です。

いよいよ来週から「メッセージ」が公開となるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。ここ最近は彼の過去作を見漁っているわけですが、見る映画見る映画がビシっと心に残る映画で紛れもなく天才なんだな・・・。という印象が固まってきています。今回はレンタルやネット視聴ができなかった「渦」をAmazonで中古DVDを仕入れて観てみました。約4,000円也・・・

ストーリー
中絶手術をしたばかりのビビアン(マリ・ジョゼ・クローズ)は、大女優の娘に生まれ、25歳の若さにしてブティックのオーナー。しかし経営状態は思わしくなく、絶望を紛らわすために親友クレール(ステファニー・モーゲンスターン)から慰めを受け、クラブに繰り出し酒をあおる。そして深夜、彼女は誤って、ある男をひき逃げしてしまう。ビビアンは事故をひた隠すが不安に苛まれ、男との刹那的な関係で気を紛らわそうとするが…

監督 ドゥニ・ビルヌーブ
脚本 ドゥニ・ビルヌーブ
製作 ロジェ・フラピエ /リュック・ヴァンダル

キャスト
マリ=ジョゼ・クローズ Bibiane Champagne / ジャン=ニコラス・ベローEvian /ステファニー・モーゲン・スターンClaire Gunderson/ピエール・ルボー The Fish(voice) / マルク・ジェリナス Stranger in Subway

「渦 官能の悪夢」(Maelström)(2000)
★★★☆☆ 70点

面白かったです!が・・・

ちょっと変わった映画です。上のキャストにエントリーされているThe Fish(voice) ですが。ストーリーを語っているのが異形で傷だらけのグロい魚君なんです。しかも半裸のおっさんに体をぶった切られたりしながらも語ります。ちょっとデビッド・リンチっぽいです。

  それにしてもDVDのパッケージのビジュアルや、日本版サブタイトル「官能」の文字から想像していた映画と全然違いますね。

  私はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督繋がりでこの映画を観ているので良いですが、このパッケージとサブタイトルで手にとってしまった人って、見てみてビックリするのではないでしょうか?

  映画は主人公の女性の中絶から始まって、お店がうまくいかなかったり、やけ酒して人を跳ねてしまったり踏んだり蹴ったりな展開なのですが、後半は「灼熱の魂」を思わせる非常に数奇なめぐり合わせがあり。目が離せない展開はやはりヴィルヌーヴ監督印を感じます。

  映像においても現在のヴィルヌーヴ監督の面白い構図やカットの片鱗が多々出てきます。かなり感じられます。私が好きだったのは、魚屋さん達のシーンです。道に魚をぶちまけてしまったり、タコに文句をつけられた時の対応など面白かったです。

そのほか、時折挟み込まれる「渦」の映像、セックスシーンも良かったです。画面への吸引力はさすがでした!

2001年のヴィルヌーヴ監督。若い・・・

しかしながら、クエスチョンマークが頭の中に浮かんでしまう部分もありました。「語り部の魚君を捌く半裸のおおじさん」とか・・・、「途中流れるトム・ウェイツ」にはちょっと乗り切れなかった感がのこります。

しかし、ふとこの映画の事を思い出してしまうような、残る映画でもあると思います!

以上若かりしドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『渦』でした。

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